漢方薬のかぜ薬

《解説》

漢方薬のかぜ薬

漢方薬のかぜ薬としては、葛根湯、小青竜湯、小柴胡湯を中心に出題されると思われます。
それぞれの漢方処方製剤の特徴となるキーワードを覚えていきましょう。
生薬成分として、抗炎症作用のある甘草（カンゾウ）、アドレナリン作動作用のある麻黄（マオウ）は、副作用及び他の薬剤との相互作用のある成分としてよく出題されますので、それらを含む漢方製剤は注意しておきましょう。
ただし、甘草は多くの漢方薬で使用されています。
漢方薬のかぜ薬には次のようなものがあります。

葛根湯（かっこんとう）

かぜのひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や方の痛みに適するとされる。

小青竜湯（しょうせいりゅうとう）

くしゃみや鼻汁・鼻閉（鼻づまり）等の鼻炎症状、薄い水様の痰を伴う咳、気管支炎、気管支喘息等の呼吸器症状に適するとされる。

小柴胡湯

かぜのひき始めから数日たって症状が少し長引いている状態で、疲労感があり、食欲不振、吐き気がする場合に適するとされる。

麻黄湯（まおうとう）

かぜのひき始めで、寒気がして、発熱、頭痛があり、体のふしぶしが痛い場合に適するとされる

柴胡桂枝湯

かぜのひき始めから数日たって微熱があり、寒気や頭痛、吐き気がする等のかぜの後期の症状に適するとされる

桂枝湯（けいしとう）

体力が衰えたときのかぜのひき始めに適するとされる

香蘇散（こうそさん）

胃腸虚弱で神経質の人におけるかぜのひき始めに適するとされる

漢方薬は種類も多く、なかなか覚えにくいものです。
下表のように成分を比較すると、それぞれ特徴がわかって少し覚えやすくなるかと思いますので、参考にしてください。

表を見ていただければわかりますが、葛根湯は桂枝湯に葛根（カッコン）と麻黄（マオウ）を足した処方です。
葛根（カッコン）と麻黄（マオウ）は発汗作用があり、汗をかくと体力を消耗しますので、体力の衰えているときの風邪の初期には桂枝湯を用います。