Q.肝臓、胆嚢に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか?
a | b | c | d | |
1 |
正 |
誤 |
正 |
正 |
2 |
誤 |
正 |
誤 |
正 |
3 |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
4 |
誤 |
正 |
誤 |
誤 |
《解説》
肝臓は、体内で最も大きな臓器で、横隔膜の直下、胃の横に位置します。
胆嚢は、肝臓で生産された胆汁を濃縮して蓄え、十二指腸に内容物が入ってくると、収縮して腸管内に胆汁を分泌します。
肝臓の働きは主に以下に3つが挙げられます。
胆汁の成分は胆汁酸と胆汁色素です。
胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質を乳化することで、消化酵素が脂質を消化しやすいようにします。
乳化とは、脂質が水分と混じりやすくなるようにする働きであって、胆汁自体は消化酵素として消化しているのではないので注意しましょう。
胆汁酸の大部分は小腸で再吸収されて肝臓に戻されます。
これを腸肝循環といいます。
胆汁色素は、古くなって破壊された赤血球のヘモグロビンの老廃物が、肝臓で黄色のビリルビンに変化したものです。
うんちの色は、このビリルビンが腸内細菌によって代謝されて茶褐色になったものです。
また、黄疸は、肝機能障害や胆管の閉塞によってビリルビンが血液中に滞留することで、皮膚や白目が黄色くなるのです。
肝臓では、栄養素が身体で利用できる形に代謝されたり、一時的に貯蔵されたりします。
ブドウ糖は小腸から肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられ、血糖値が低下してくると、必要に応じてブドウ糖に分解して血液中に放出します。
一般的にぜい肉と呼ばれている皮下脂肪も、体内で利用されるときには、いったん肝臓に運ばれてエネルギーとして利用可能な形に代謝されます。
消化管から吸収された有害物質は肝臓で代謝され、無毒化されます。
例えば、アルコールは、肝臓でまず二日酔いの原因と考えられているアセトアルデヒドに代謝され、さらに酢酸にまで代謝されて体外に排泄されます。
アミノ酸が分解された時に生じるアンモニアは肝臓で尿素に代謝されます。