Q.消化に関する組み合わせとして正しいものはどれか?
[器官名] |
[消化酵素] |
[栄養素] |
|||
ア |
口 |
─ |
アミラーゼ(プチアリン) |
─ |
蛋白質 |
イ |
胃 |
─ |
トリプシン |
─ |
脂肪 |
ウ |
すい臓 |
─ |
リパーゼ(ステアプシン) |
─ |
脂肪 |
エ |
小腸 |
─ |
ペプシン |
─ |
でんぷん |
ア | イ | ウ | エ | |
1 |
正 |
誤 |
誤 |
正 |
2 |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
3 |
誤 |
正 |
誤 |
正 |
4 |
誤 |
誤 |
正 |
誤 |
《解説》
私たちが口から摂取した食べ物はそのままの形では利用することができないので、体が利用できる形にしなければなりません。
体で利用できる形にすることを消化といい、消化・吸収に係わる器官を消化器といいます。
口、胃、小腸、すい臓から分泌される消化液によって栄養素は分解され、体の細胞組織やエネルギーとして利用されるのです。
ここでは各消化器から分泌される消化液に含まれる消化酵素名と、その消化酵素が分解することができる栄養素、そして栄養素の分解によって新たにできた消化物名をそれぞれ関連づけて覚えておかなければなりません。
口から分泌される唾液には唾液アミラーゼ(=プチアリン)と呼ばれる消化酵素が含まれ、でんぷんを半消化された状態であるデキストリンや麦芽糖に分解します。
でんぷんは最終的にブドウ糖になりますが、唾液ではまだブドウ糖にまで分解することはできません。
胃から分泌される胃液にはペプシンと呼ばれる消化酵素が分泌され、蛋白質を半消化された状態であるペプトンに分解します。
蛋白質は最終的にアミノ酸になりますが、胃液ではアミノ酸にまでは分解されません。
また、ペプシンとペプトンは名称が紛らわしいので気を付けて下さい。
例えば、「胃液中のペプトンが蛋白質をペプシンに分解する」のように、ペプシンとペプトンを入れ替えた正誤問題が出題される可能性があります。
すい臓ではすい液が十二指腸へ分泌されて、すい液には炭水化物、脂質、蛋白質を分解する多くの消化酵素を含んでいます。
炭水化物のうちでんぷんは、すい液アミラーゼ(アミロプシン)によって麦芽糖に、麦芽糖はマルターゼの働きによってブドウ糖に分解されます。
脂質は、リパーゼの働きによって脂肪酸とグリセリンに分解されます。
蛋白質は、すい液中のトリプシノーゲンが腸液の成分によってトリプシンとなり、蛋白質をさらに細かく分解します。
小腸から分泌される腸液には、炭水化物と蛋白質を分解する酵素が分泌されます。
麦芽糖、しょ糖、乳糖といった炭水化物をマルターゼ、サッカラーゼ、ラクターゼがブドウ糖、ガラクトース、果糖に分解します。
半消化された蛋白質をエレプシンがアミノ酸に分解する。
でんぷん |
脂質 |
蛋白質 |
|||||||
↓ | | │ │ │ │ │ | | ↓ |
| │ │ │ ↓ |
|||||||
口 |
唾液アミラーゼ |
→ |
デキストリン |
||||||
| | |||||||||
胃 |
| | | ↓ |
ペプシン |
→ |
ペプトン |
|||||
↓ | |||||||||
すい臓 |
膵液アミラーゼ |
→ |
麦芽糖 |
リパーゼ |
→ |
脂肪酸 |
トリプシノーゲン |
→ |
さらに小さいポリペプチド |
↓ | ↓ | ||||||||
小腸 |
マルターゼ |
→ |
ブドウ糖 |
エレプシン |
→ |
アミノ酸 |
胆嚢から分泌される胆汁は脂質の消化に係わっていますが、消化そのものの働きはしていません。
胆汁は通常混じり合うことのない脂質と水分が混じりやすくなるように乳化して、脂質の消化を助ける働きをしているのです。
乳化の代表的な物は牛乳で、乳化されることで脂質(バターとなる部分)と水分が混じっています。