Q.大腸に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか?
a | b | c | d | |
1 |
正 |
正 |
正 |
正 |
2 |
誤 |
正 |
正 |
誤 |
3 |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
4 |
正 |
正 |
誤 |
正 |
《解説》
大腸は図のように、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸で構成される管状の臓器です。
大腸では、消化及び栄養分の吸収はほとんど行われず、小腸から送られてきたかゆ状の内容物から水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質を吸収し、固形状の糞便を形成します。
必要以上に水分が吸収される糞便が固くなり、便秘の原因となります。
大腸の粘膜から分泌される粘液(大腸液)は便の滑りをよくしています。
S字結腸に溜まった糞便が直腸に送られてくるとその刺激に反応し便意が起こります。
一般的には糞便は食べたものの残りカス(残滓)と思われていますが、通常、糞便の約70%は水分で、そのほか、はがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸が約15〜20%、腸内細菌の死骸が約10〜15%含まれ、食べ物の残滓は約5%にすぎません。
大腸内に棲みつく腸内細菌は私たちの健康にとっても非常に重要な存在です。
小腸で消化・吸収された後の食べ物の残りカスが大腸に送られてくると、腸内細菌が分解します。
食物繊維(難消化性多糖類)は、人間の消化酵素では消化できないため、腸内細菌が棲みつく大腸まで運び込まれて、それを腸内細菌が発酵分解します。
その際、乳酸や酢酸といった酸が生成され、腸内環境が良くなります。
また、大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維を分解して生じる栄養素をエネルギー源として、その活動に利用しています。
腸内細菌は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ニコチン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンK、パントテン酸といったビタミンも生成してくれています。
一方、腸内細菌による発酵で、糞便の臭気の元となる物質やメタン、二酸化炭素等のガスも生成されます。