Q.ビタミンに関する組み合わせとして正しいものはどれか?
ア | ビタミンA |
─ | レチノール |
─ | 夜盲症 |
イ | ビタミンB1 |
─ | 塩酸ピリドキシン |
─ | くる病 |
ウ | ビタミンC |
─ | アスコルビン酸 |
─ | 壊血病 |
エ | ビタミンD |
─ | トコフェロール |
─ | 口角炎 |
ア | イ | ウ | エ | |
1 |
正 |
誤 |
正 |
誤 |
2 |
正 |
正 |
正 |
誤 |
3 |
誤 |
正 |
誤 |
正 |
4 |
誤 |
誤 |
正 |
誤 |
《解説》
ビタミンに関する問題は、出題者側としても問題を作りやすく、よく出題されるでしょう。
ですから、ビタミンに関しては完璧にマスターしておいたほうがよいと思います。
ビタミンA、ビタミンB、…というのは一般名称で、医薬品の成分としてはややこしい別名で記載されていますので、まずこれを覚えなければなりません。
そしてそれに加えて効能との3点セットで覚えましょう。
ビタミンはまず、油に溶けやすい脂溶性のビタミンと、水に溶けやすい水溶性のビタミンに分類されます。
水溶性のビタミンは、過剰摂取しても身体に必要としない余分は体外に排泄されるので、それほど問題にはなりません。
一方、脂溶性ビタミンは脂肪とともに腸内から吸収されて肝臓に蓄えられるため、過剰摂取するとかえって身体に悪影響を及ぼすこともありますので、使用に関しては注意が必要です。
脂溶性ビタミンとして、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKを覚えておきましょう。
「ビタミンD・A・K・E(だけ)」と覚えると、覚えやすいようです。
試験的には、上記脂溶性ビタミン以外を水溶性ビタミンと考えておけばよいと思います。
ちなみに、水溶性ビタミンは、ビタミンB群、ビタミンCなどです。
ビタミンAとして配合される成分は、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどです。
夜間視力の維持や、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きがあり、夜盲症(とり目)、目の乾燥感の緩和に使用されます。
留意点は、妊娠3ヶ月前後から妊娠3ヶ月までの間の過剰摂取で新生児において先天性異常の割合が上昇したという報告があることです。
ビタミンAの前駆体であるβ-カロチンは身体に必要な分だけビタミンAに変換され、過剰分は体外に排出されるので安全です。
ビタミンDとして配合される成分は、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールです。
腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨への沈着をよくすることから、骨歯の発育不良、くる病の予防に使用されます。
留意点は、過剰に摂取すると、高カルシウム血症、異常石灰化がおこります。
ビタミンEとして使用される成分は、トコフェロール、コハク酸トコフェロール、酢酸トコフェロールなどです。
抗酸化作用があって身体が酸化するのを防ぎ、血流を改善させる作用もあります。
末梢血管障害による肩こり、手足のしびれ・冷え、、更年期障害、月経不順の緩和などに使用されます。
ビタミンEは脂溶性のビタミンですが、大きな副作用の報告はありません。
ビタミンKとして使用される成分は、フィトナジオンなどです。
血液凝固に関与し、ビタミンKが不足すると血液が固まらなくなり、けがをすると血が止まらなくなってしまします。
ビタミンB1として使用される成分は、塩酸チアミン、硝酸ビスチアミン、塩酸フルスルチアミンなどです。
糖質の代謝を良くし、神経機能を調節しています。
ビタミンB1が欠乏すれば、脚気や神経炎を起こします。
ビタミンB2として使用される成分は、酪酸リボフラビンです。
脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要なビタミンです。
口角炎、口内炎、舌炎、皮膚炎、にきび、肌荒れなど症状の緩和です。
ビタミンB6として使用される成分は、塩酸ピリドキシンなどです。
ビタミンB6は、主に蛋白質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要はなビタミンです。
ビタミンB1、ビタミンB2と並び、脚気や神経炎、口角炎、口内炎に有効です。
ビタミンB12として使用される成分は、シアノコバラミンなどです。
ビタミンB12は、赤血球の形成に必要なビタミンで、欠乏すれば貧血を起こします。
ビタミンCとして使用される成分は、アスコルビン酸などです。
抗酸化作用があり、身体を酸化から護ります。
細胞と細胞をつなぐ役割をするコラーゲンの生成に必要不可欠で、欠乏すると血管が弱くなって、出血しやすくなり、壊血病を起こします。
また、メラニンの生産を抑える働きがあるため、シミやソバカスなどの緩和に使用されています。
ちなみに、化粧品には美白成分として配合されています。
成分名 |
効能 |
|
ビタミンA |
酢酸レチノール |
夜盲症の緩和 |
ビタミンD |
エルゴカルシフェロール |
くる病の予防 |
ビタミンE |
トコフェロール |
末梢血管障害の緩和 |
ビタミンK |
フィトナジオン |
血液凝固 |
ビタミンB1 |
塩酸チアミン |
神経の正常な維持 |
ビタミンB2 |
酪酸リボフラビン |
口角炎、口内炎の緩和 |
ビタミンB6 |
塩酸ピリドキシン |
脚気、口角炎の緩和 |
ビタミンB12 |
シアノコバラミン |
抗貧血作用 |
ビタミンC |
アスコルビン酸 |
しみ、そばかすなど色素沈着の緩和 |
ア.○
イ.くる病はビタミンDの不足によっておこる病気
ウ.○
エ. トコフェロールはビタミンE