Q.自律神経の交感神経が興奮したときにおこる反応に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか?
1 | ( a . c) | 2 | ( c. d ) | 3 | ( b . c ) | 4 | ( a . d ) |
《解説》
自律神経とは、私たちが無意識のうちに身体に機能を調整してくれている神経です。
例えば、血液の流れや体温の調節などは、私たちが意識しなくても自律神経が勝手に調整してくれているのです。
自律神経には、交換神経と副交感神経の2つがあり、互いに制御しあってバランスを保っています。
緊張しているときや興奮しているときは主に交感神経が働き、リラックスしているときは主に副交感神経が働いています。
ストレスなどでこの交感神経と副交感神経のバランスがくずれて、自律神経がうまく機能しなくなると、自律神経失調症になるのです。
交感神経と副交感神経は、神経伝達物質を放出することで各器官に働きかけます。
交感神経の神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリンで、副交感神経の神経伝達物質はアセチルコリンです。
医薬品の作用はこの自律神経と関係しているものが多くあります。
神経伝達物質と同様の作用の持つ成分や、逆に神経伝達物質の働きを抑える作用のある成分によって各器官に働きかけるのです。
アドレナリンと同様の作用がある成分をアドレナリン作動成分、アセチルコリンと同様の作用のある成分をコリン作動成分、アドレナリンの働きを抑える成分を抗アドレナリン成分、アセチルコリンの働きを抑える成分を抗コリン成分といいます。
例えば、胃腸薬などによく配合されている鎮痛作用のあるロートエキスは、抗コリン成分であり、副交感神経の働きを遮断することで、胃酸やペプシンの分泌を抑制し、痛みを抑制しています。
その反面、副交感神経の働きの遮断は、胃だけでなく他の器官にも影響しましので、瞳孔が拡大して眼圧が上がったり、唾液の出が悪くなり口が渇いたりといった副作用が現れるのです。
下記のように、交感神経と副交感神経の各器官における作用を覚えておくと、医薬品の副作用についてもよく理解できますので、是非覚えておきましょう。
交感神経 |
器官 |
副交感神経 |
---|---|---|
散大 |
瞳孔 |
収縮 |
分泌量減少 |
唾液 |
分泌量増加 |
心拍数増加 |
心臓 |
心拍数減少 |
収縮 |
末梢血管 |
拡張 |
拡張 |
気管・気管支 |
収縮 |
運動促進 |
胃 |
運動抑制 |
グリコーゲン分解 |
肝臓 |
グリコーゲン合成 |
排尿筋の弛緩 |
膀胱 |
排尿筋の収縮 |