偽アルドステロン症の症状

《解説》

偽アルドステロン症の症状

偽アルドステロン症の症状という細かい所を問うた一見難しい問題です。
「こんな細かい所まで覚えられないよ〜！」という方もおられるでしょうが、この問題は偽アルドステロン症のことをキチンと理解していれば、症状を全て覚えなくても解ける問題です。

偽アルドステロン症は、偽物（にせもの）のアルドステロン症ですので、まずアルドステロン及びアルドステロン症について知る必要があります。

アルドステロンとは？

アルドステロンとは、副腎から分泌されるホルモンです。
アスドステロンは、腎臓におけるナトリウムの再吸収を促進させ、カリウムを排泄させる働きがあります。
つまり、ナトリウムを尿と一緒に体外に排泄させずに再度体内に戻し、その入れ替わりにカリウムを尿として排泄させて、血液中のナトリウムとカリウムのバランスを制御する働きをしているのです。

血液中のナトリウム濃度は一定に保たれるようにコントロールされています。
ですから、血液中のナトリウム量が増えると、濃度を一定にするために水分を保持するので、血液量も増加します。
血液量が増加すると、心臓はたくさんの血液を拍出しなければならないので、血圧が上昇します。
また、水分を保持することから尿量減少、浮腫（むくみ）が現れます。
カリウムは神経伝達に重要な働きを果たしているため、カリウムの過剰な減少は手足のしびれなど神経障害をもたらします。

偽アルドステロン症とは？

アルドステロン症は、何らかの原因でアルドステロンが過剰に分泌されるために、体内に塩分（ナトリウム）と水分が貯留し、体からカリウムが失われたことに伴う症状です。
主な症状としては、尿量の減少、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ（浮腫）、喉の渇き、吐き気・嘔吐などがみられ、さらに進行すると、筋力低下、起立不能、歩行困難、痙攣などを生じます。

偽アルドステロン症は、アルドステロンの分泌量が増えていないにもかかわらず、アルドステロン症と同様の症状がおこる病気なのです。
医薬品成分では、抗炎症成分であるグリチルリチンや葛根湯をはじめとする多くの漢方薬に配合されている甘草（カンゾウ）などに偽アルドステロン症の副作用を引き起こす可能性があります。

1. ○
2. ○
3. ×　体内に水分を保持するために尿量は減少する
4. ○