これから登録販売者の資格を取ろうと考えている方の中には、
「独学でも登録販売者試験に合格できるのだろうか?」
と疑問に思っている方もいらっしゃることでしょう。
結論からいうと、独学で登録販売者試験に合格することは可能です。
登録販売者は国家資格ですので、一見難しそうに思えますが、資格の中では比較的難易度の低い部類の資格に該当します。
120問の問題のうち70%の正答が合格ラインですし、ほとんどの場合、マークシート形式の正誤問題ですので、完全にわからなくてもある程度答えを絞り込むことはできます。
簡単な章の問題で確実の点数を稼ぐこと、そして出題範囲・出題の傾向を掴んできっちり勉強すれば、独学でも合格することは十分可能です。
登録販売者試験のテスト問題は、厚生労働省が問題を作成する各都道府県に具体的な出題範囲を提示した「試験問題作成に関する手引き」より出題されます。
ですので、この「試験問題作成に関する手引き」をしっかりと読むことが、独学であろうが講座を受けようが、登録販売者試験の勉強方法の基本となります。
「試験問題作成に関する手引き」は厚生労働省のホームページにPDF形式で掲載されていますので、プリントアウトして利用するとよいですね。
約365ページあって、プリントアウトするのは一苦労ですが、ホームページで閲覧するだけではなかなか頭に入ってきません。
重要なところをマーカーでラインを入れたり、メモ書きしたりして、自分なりに工夫するのが合格への鍵となります。
そして、登録販売者試験の過去問を解いて、実際の出題傾向を確認しましょう。
過去問を解いて、わからないところがあれば「試験問題作成に関する手引き」で答えを確認する。
これの繰り返しで、「試験問題作成に関する手引き」の第1章、第2章、第4章、第5章はマスターできるかと思います
あと、皆さんがつまずくのが、第3章の【主な医薬品とその作用】です。
カタカナの成分名や漢方生薬名にうんざりする方も多いことでしょう。
実務的には全て覚えるべきものなのでしょうが、正直、全て覚えるのは難しいので、登録販売者試験に合格するという目的であれば、過去問題で出題頻度の高い成分を中心に覚えていくという勉強方法がよいかと思います。
実際に販売されている市販薬の成分と照らし合わせるてみることも、覚えやすくするためのコツですね。
一般的な登録販売者の資格対策講座では、1年かけてゆっくり学習する通信講座が多いようです。
独学の場合でも、1年の勉強期間あれば十分すぎるくらいです。
逆に1年間もモチベーションが続くか心配ですね。
勉強量にもよりますが、半年もの勉強期間があれば独学でも十分、登録販売者試験に合格することは可能だと思います。
独学でも2、3ヶ月の勉強期間で合格したという投稿もあり、当然可能ではあると思いますが、確実に一発合格するにはもう少し余裕がある方がいいですね。
登録販売者試験は独学でも合格できると申し上げてきましたが、実際の合格率を見てみると、45%前後と意外と低いことがわかります。
●登録販売者全国平均合格率推移
2012年(平成24年) … 44.2%
2013年(平成25年) … 47.1%
2014年(平成26年) … 43.5%
2015年(平成27年) … 45.9%
2016年(平成28年) … 43.5%
この数字をみるとわかりますが、簡単だからいって舐めてかかると合格できないということです。
あくまでも、国家資格の中は比較的簡単な資格だということであって、きちんと勉強せずに合格できるという訳ではありません。
もしかすると、この合格率の低さは、自分の意思で受験するのではなく、会社から登録販売者試験を受けるよに強要されて受験している人が多いのかもしれませんね。
受験料もけっこう高いですし、試験も各都道府県で年に1回しかない訳ですから、一発で合格したいですよね。
ですので、過去問を解いてみて、独学で合格する自信のない方は、何度も受験しなおす無駄を考えれば、登録販売者の講座を受講して確実に合格するという選択肢を選ぶほうが無難かもしれません。
登録販売者になるためには、各都道府県が実施する登録販売者試験に合格しなければなりません。
登録販売者試験は年1回以上、定期的に各都道府県が行い、どこの各都道府県でも受験することができます。
平成26年度までは薬局・薬店等で1年間の実務経験や学歴などの受験資格制限がありましたが、平成27年度以降は受験資格が撤廃され、誰でも登録販売者試験に受験できるようになりました。
受験料は各都道府県でバラツキがあり13,000円から17,600円と高く設定されています。
一発で合格できればいいものの、できなければ痛い出費となってしまいネックになります。
また、合格者の登録手数料も7,100円から10,000円必要となります。
試験科目は下記のようになっていて、約70%以上の正解率が合格ラインとなります。
合計で70%以上であっても、各試験項目で正解率が40%を下回っている項目があると不合格となります。
試験項目 | 出題数 | 時間 |
---|---|---|
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
合計 | 120問 | 4時間 |
マークシート方式ですので、答えがわからなくてもとりあえずどこかにマークしておけば、ラッキーで正解しているかもしれません。
ただし、マークの位置ずれにはくれぐれもご注意ください!